論文記事
Amabile, T.M., & Khaire, M. (2008, October). "Creativity and the Role of the Leader." Harvard Business Review, 86(10), 100–109.
イノベーションが重視される今日の経済では、優れたアイデアを生み出す方法を理解することが経営陣の急務になっている。この記事の筆者は、革新的な企業の専門家や経営陣を集めて、創造性と、現在の実際のビジネスの課題とのつながりに関する学術研究について論じている。
Bel, R.(2010, January/February). "Leadership and Innovation: Learning from the Best." Global Business and Organizational Excellence, 29(2), 47–60.
Apple、Google、Microsoft、Virginなどの企業は、常に企業ランキングの上位を占めている。これらの企業を象徴するリーダーは、経営に関する書籍や雑誌で繰り返し取りあげられている。こうした企業のCEOには、イノベーションを促す共通点があるのだろうか?彼らは独力でイノベーションを推進しているのだろうか?企業のイノベーションを実現する力とリーダーのカリスマ性には直接つながりがあるのだろうか?非常に革新的な複数の企業での体験から学んだこの記事の筆者は、革新的なリーダーに共通の特徴だけでなく、革新的リーダーシップのさまざまな側面も紹介している。
Catmull, E. (2008, September). "How Pixar Fosters Collective Creativity." Harvard Business Review, 86(9), 64–72.
優れたアイデアは優れた人物よりも貴重であると考えられている。この記事の筆者はその考えに対抗し、企業がアイデアの発展ではなくオリジナルのアイデアを重視すれば、アイデア実現におけるリスクに適切に対応できなくなると主張している。新しいアイデアには予期できない問題が付随するものであり、そうした問題はさまざまな分野から適切な人材を集めることによって解決できる。これこそがイノベーション実現の鍵である。また、製品開発の創造的な権限を、企業の経営陣ではなくプロジェクト・リーダーに委ねることでイノベーションを促進する方法や、作業の進捗状況の共有と相互の支援を奨励する文化とプロセスを育む方法、各部門を分断する従来の障害を排除する方法についても論じている。
Gregersen H., Dyer J., & Christensen C. (2012, February 3). "Why Ask Why?" Chief Executive.net. Retrieved October 26, 2012, from http://chiefexecutive.net/why-ask-why から抜粋(2012年10月26日)
この記事の筆者は、8年間にわたって世界でも非常に革新的な企業を対象に調査を実施し、あらゆる企業が活用できる5つのイノベーション・スキル(連想の思考、観察、アイデアのネットワーキング、実験、質問)に辿り着いた。その中でも、筆者は質問がいわゆる破壊的なイノベーションの開始点であると指摘している。破壊的なイノベーターは、多くの質問をする方法を熟知しているだけでなく、挑発的な質問も行っている。この記事は、この調査についての背景知識と、挑発的な質問の方法に対する提案を提供している。
McCreary, L. (2010, September). "Kaiser Permanente's Innovation on the Front Lines." Harvard Business Review, 88(9), 92, 94–97, 126.
この記事では、効率性と従業員モラルの向上のためにKaiser Permanente社が行った革新的な取り組みを紹介している。同社が経営する病院は、Innovation Consultancy(イノベーション・コンサルタント)という作業チームを設置し、イノベーションにつながるアイデアを見いだすためにさまざまな領域や職務を観察した。チームの推奨事項を実践した結果、コストの削減と生産性の向上を実現している。
Miles, R.E. (2007, Fall). "Innovation and Leadership Values." California Management Review, 50(1), 192–201.
この記事は、イノベーションと、米国におけるリーダーシップの価値とプラクティスに関する管理理論について論じている。Douglas McGregor氏とRensis Likert氏の理論から派生したコミュニティ協業型管理理論が説明されている。
書籍
Christensen, C.M. (2011). The Innovator's Dilemma: The Revolutionary Book That Will Change the Way You Do Business. New York: Harper Business.
著者は、社員全員が適切に作業している企業でも成功できない可能性がある理由を説明している。市場におけるリーダーシップを維持するために、企業はいわゆる破壊的イノベーションを十分に活用する必要がある。著者は、イノベーションを実現するルールとして、自分が正しいときには顧客の言葉に耳を傾けない、成功への途をたどり続けるには小さい市場を追求することなどを挙げている。
Govindarajan, V., & Trimble, C. (2010). The Other Side of Innovation: Solving the Execution Challenge. Boston: Harvard Business School.
本書の著者は、各種業界のイノベーターの例を使用して、イノベーションへの取り組みを実践する方法を明らかにしている。また、適切な人材でチームを構成することにより、各メンバーが日常の職務に追われていても取り組みを確実に成功させることの重要性を説明している。本書は、統制のとれた実験を管理することの重要性にも触れている。
Heath, C., & Heath, D. (2010). Switch: How to Change Things When Change Is Hard. New York: Broadway Books.
変化に対応することは、簡単な場合も難しい場合もある。本書の著者は、その理由について調査結果を紹介している。著者は、人間の脳には理性と感情の2つのシステムがあり、このシステムが相互に対立することが多いため、人間は変化に抵抗を示しやすくなると主張している。リーダーがより迅速に変化に対応できるように、この対立を克服する戦略が紹介されている。
Phillips, J. (2012). Relentless Innovation: What Works, What Doesn't—And What That Means for Your Business. New York: McGraw-Hill.
組織は、イノベーションがその場限りの取り組みではなく、文化の一部として浸透したときに繁栄することができる。この文化を育むことは簡単ではない。本書は、あらゆる業種の企業が絶え間なくイノベーションを追求する文化を築くための提案とアプローチを紹介している。
Sims, P. (2011). Little Bets: How Breakthrough Ideas Emerge from Small Discoveries. New York: Free Press.
企業は結果を予測するために大規模なアイデアやプロジェクト全体の計画から開始するべきであると考えているが、正しい方向につながっていく小さな決定を次々に下していくべきである、と著者は論じている。その過程で、小さな失敗や、小さいながら重要な成功から学ぶことができるため、思いがけない手段を発見し、素晴らしい結果に到達することが可能になる。
Taylor, W.C. (2011). Practically Radical: Not-So-Crazy Ways to Transform Your Company, Shake Up Your Industry, and Challenge Yourself. New York: William Morrow.
著者は、厳しい時代にも進歩を続けている25社の企業を調査した結果、企業の問題の修復、大きな成功につながるイニシアチブとその開始方法の決定、リーダーシップの見直しに役立つアイデアとアドバイスに辿り着いた。革新的な企業がユニークなアイデアを受け入れることで、どのように他の企業が見落としてしまう機会につながるアイデアを見いだしているかが紹介されている。本書は、「新しいアイデアを見つけるために目を向けるべき場所について新しいアイデアはあるか?」という質問にも答えを示しています。